つい先日LEXUSのホバーボードが公開されました。

LEXUS SLIDE

今の段階では「ふ〜ん」という印象

世間一般の反応としては各メディアで絶賛されているけれど、僕個人としては人が乗って楽しむ「ホバーボード」としてはあんまし魅力を感じないというのが正直なところ。

重力と無重力感覚の混在こそスケートの醍醐味

これは個人的な考えなのですけど、スケートボードの醍醐味って重力との駆け引きにあると思うんですよね。

例えばスケートボードで最も重要なトリック「オーリー(ジャンプ)」であったり、ミニランプ(ハーフパイプの小さい感じ)の滑走面を思いっきり踏ん張って荷重を掛けながら駆け上ってエアー(ジャンプ)するとか、重力下から無重力感覚へ、無重力感覚から重力下への変化に快感があると思うのです。

それを最初から浮かせてしまったら、楽しさが半減してしまうんじゃないかなと。

直接接地する事の魅力

それと、僕はまだ出来ないですけど、BOXやレールなどでデッキ(板)やトラック(タイヤと板を取り付けてる金具)をスライド/グラインド(つまり乗っかって滑らせる)するトリックに関して言えば、直接接地してこそ接地部分同士の摩擦具合が違う事による感覚・コントロールの違いが楽しいのに、最初から浮いてたらスライドしてる時の摩擦具合が感じられない。これはストリート系のスケーターから見てもナンセンスなんじゃないかなと思います。

現段階では用意されたレールの上しか走れない

更に言えば、公開されてる映像を見ている限り用意されたレールの上しか走れない。自動車での使用を想定した技術方式なので、自動車においては道路にレールを埋め込めば良いのかもしれないけれど、この方式のホバーボードである限り将来的にもバック・トゥ・ザ・フューチャーのように自由に走り回るようにはなれない。
これは

スケート一枚で街を無限にクリエートする

事が出来ないわけで、その点でもストリート系のスケーターからはナンセンスだと思う。

操作レスポンスの問題

もし自由に走れるとなったとしても、浮いてるので何をするにしてもワンテンポ遅れると思います。車に例えるなら、ズルズルのオートマクラッチで、サスペンションもフニャフニャな車に乗るみたいなもので、操縦の楽しさとしては、自分の操作がダイレクトに反映されるマニュアルのレーシングカートの方が確実に上だろうなと思うわけです。

だから、このホバーボードについて、たぶん一般の人の多くは「すごい!!」って思うと思うけど、スケーター目線だとそんなに魅力を感じない人が多いんじゃないかな。

そうは言っても素晴らしい!

と、さんざんDisりましたけど、技術としてはすごく面白いと思うし、何よりも新しい事に挑戦する技術者の方は頭が下がります。

おもちゃやスポーツとしてのホバーボードは、もし実用化されてもメジャーになる事はたぶん無いんじゃないかと思いますが、LEXUSがしているのはあくまで「宙に浮く車」のための技術開発でしょう。

現在の道路がアスファルトで舗装整備されたように、宙に浮かすための装置を道路に埋め込む事は将来的には十分ありえると思う。

車にせよホバーボードにせよ、実用性のある(利益をもたらす)商品化までに程遠い技術開発に対して、多大な研究開発費を投資するのは大変な事だと思います。

凡人には思いつかないプロダクトを出してくれる事を楽しみに待ちたいです。

おまけ1 既に存在してるホバーボード Hendo

ちなみにホバーボードはLEXUSより前に発表されているものは存在してます。

こちらもやはり浮いてるが故にダイレクトな操作性が期待出来ない・・・。

いや、浮いてるからこそホバーボードなのですけど、やっぱりホバーさせる事で現行のスケートボードの魅力のほどんどを自ら捨ててるので、「未来の象徴」ではあるけど楽しさとしては「劣化アイテム」という気の毒な存在ですね。

おまけ2 許しがたいホバーボード

もう一つ話題になったホバーボードといえばこれ。

最初見た時は「すげー!」って思った。

実はLEXUSの動画見たけど、この動画見た事があったから「後発じゃん」って思ってたけど・・・

今回の記事を書くにあたってこの動画探して調べたら、この動画は資金調達するためのトリック映像で実際には実現してなかった。

こういうモノが作りたいので開発したいので資金を募ってますって動画中に書いてあれば「夢のある話で応援したいなー」って思うけれど、あたかも試作品は出来てるかのような内容で資金調達しようとするのはやり方が汚いと思う。

低評価の数が多いのも納得。

この記事を書いた人

ヒデ
ヒデスケート歴約4年
40歳からスケートをはじめた中年スケーターの イシカワ ヒデカズ です。子供と一緒にスケボーしてます。
長男:じょにー(9歳 / 引退済)
次男:じょに次郎(7歳 / 引退済)

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